FRONT-END.AI Blog

FRONT-END.AIやAI/機械学習に関する最新情報を発信しています

Google I/O 2021とWWDC 2021から見るAIとプライバシーの関係

Google I/O 2021、WWDC 2021が2021年05月と06月に開催されました。GoogleとAppleの開発者向け年次カンファレンスとあって、数多くの発表が行われています。その多くは新しいOS(Android/iOS)に関連するものですが、中にはAIや機械学習に関連するものも含まれています。

そんなセッションの中から、プライバシーに関する取り組みが目を引きましたので紹介します。

オフラインで動作するAI

Android 12ではPrivate Compute Core、iOS 15ではオンデバイス・インテリジェンスと呼ばれる機能(概念)が発表されています。これはどちらもデバイス(スマートフォンやタブレット)上でAIを実行することで、クラウド上にデータをアップロードせずに利用できるというものです。

f:id:moongift:20210618103914j:plain

このデバイス上で動作するAIの利点は2つあります。

  • プライバシー
  • 速度

昨今、SiriやAmazon Echo、Google Homeなどに話しかけてタスクを行わせるスマートスピーカーが人気です。この音声について、クラウド側にアップロードされることでプライバシーが侵害される問題が発生しています。

こうした問題を受けて、音声を解析し、その意味や意図を見いだす部分においてはデバイス上で処理を行うようになっています。さらに多くの処理においてはデバイス上で処理が完結するので、クラウドを介することなく処理が可能になります。

オフラインでも処理できるようになれば、実行速度の面でもメリットがあります。ネットワークがオフラインの場合はもちろん、速度の遅い地域や場所、月末の帯域を使い切ってしまった状態においても高いレスポンスが期待できるでしょう。

Google I/O 2021の機械学習セッション

Google I/O 2021でのAI、機械学習系セッションは多数あります。大雑把にカテゴリごとに分けて紹介します。興味があるセッションをぜひチェックしてください。

全般

アプリ

Web

テクニック

デモ

WWDC 2021の機械学習セッション

f:id:moongift:20210618103936j:plain

WWDC 2021についても大雑把に分けてあります。興味あるセッションをご覧ください。

アプリ

テクニック

まとめ

Google I/O、WWDCともにAIにおけるエッジ処理、そしてプライバシーへの懸念解消を取り上げています。スマートフォンやタブレットが高機能化する中で、エッジで処理できるAIは高性能化していきそうです。AIや機械学習に関わる開発者の方は要注目です。