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事例から学ぶ。GPT-3を使ってどんなことができるのか

GPT-3はOpenAIが開発した言語生成モデルです。2020年の夏くらいに登場し、一気に広まってきています。様々な応用例があり、テキストやプログラミングなどの分野でも活用が進んでいます。

今回はGPT-3を使ってどんなことができそうか、先駆者たちの事例を見ていきます。

文章の生成

翻訳

GPT-3の得意分野として翻訳が挙げられています。こちらは英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語などをチャットボット風に翻訳した例になります。

GPT-3 Translations - John Faben's Homepage

弁護士のような文章

質問をすると、それに対する弁護士レベルでの回答を得られるというデモです。関連する法令まで上げてくれるとのことで、レベルが高い文章せ生成されるようです。

メール文章の生成

要点を書くだけで、その人風のメール本文が自動生成されます。簡潔な内容から、相手が不快に思わない文章が生成されるのは便利そうです。

文章の平易化

いわゆる法律用語のような、一般社会では使われないような難解な文章をGPT-3を通して平易化するデモです。

悪い文章を訂正する

チャットやメールで、つい暴力的な言葉を使ってしまったことはないでしょうか。そうした悪い言葉を自動で直してくれるデモを紹介しています。

デザインの生成

Webデザインの生成

自然言語からHTMLのテーブル、ボタンなどを生成しています。ドナルドトランプ氏の髪色でボタンを作る、といった指定もできています。

Figmaプラグインとしてのアプリモックアップデザインの生成

Figmaプラグインとして実装された例です。アプリのUIにどういった要素があるのかを書くだけで、実用的なデザインを持ったアプリのUIが生成されているのが分かります。

カラースケールの生成

絵文字とカラースケールを与えると、そこから新しいカラースケールを生成するデモです。適切な特徴点(色情報)をピックアップしているのが面白いです。

プログラミングコードの生成

シェルコマンドの生成

自然言語からシェルコマンドを生成します。ターミナル操作においても自然言語を使って、操作できるようになるのかも知れません。

コードリーディング

人の書いたコードを正しく理解するには高いスキルが必要です。しかしGPT-3を用いることで、コードを解釈して、自然言語に対する答えを出せるようになっています。

数式の表示

英文からLaTeXに対応した数式を生成します。生成された数式はMathJaxを使って整形した上で表示しているようです。

SQL生成

自然言語からSQL(データベース問い合わせ言語)を生成します。サブクエリーまで生成するのが凄いです。

インタラクティブなコード生成

チャットボットと話すような形でコード(Ruby)を生成するデモです。過去の対話内容を記憶していることで、徐々に機能を追加したり、直したりできます。

プログラミングのサポート

対話型でプログラミングのサポートをします。「配列の最後の要素へのアクセス方法は」といった質問を書くと、それに対応した答えか返ってきます。

コードの生成

自然言語からPythonのコードを生成するデモです。Kerasに対応させているので、機械学習向けのコードをGPT-3で生成するという、ちょっとメタ的な位置づけになっています。

データ解析

自然言語検索エンジン

より自然言語で書ける検索エンジンの例です。面白いのは、これがローカルファイル上で実行されていることでしょう。結果はWikipediaに飛んで確認するようです。

Googleスプレッドシートでの利用

Googleスプレッドシートの中にgpt3という関数を用意し、元データ(3つの州)を与えて、別な州のデータを返却させるというデモです。

グラフ描画

描画内容を自然言語で記述し、それをグラフ化します。最後に「Can you please draw」とお願いしているのが面白いです。

Googleスプレッドシートの操作

ローカルで処理内容を記述して、それをGPT-3でPythonコードに変換します。そしてPythonからGoogleスプレッドシートを操作するデモです。目的としているセルに適切に値が入っているのが確認できます。

インタラクティブなグラフの生成

対話型でグラフを描画するデモです。一度描画したデータに対してGDPを追加して欲しい、といった指示やスペインに関してはといった情報を付与していきます。

PDF解析

PDFファイルを解析して、数字や日付などを抽出しています。これまでのPDF仕様に沿った解析とは異なるアプローチになるでしょう。

クリエイティブ作成

広告のクリエイティブ提案

製品に関する情報をインプットとして、広告のクリエイティブを自動生成しています。こうしたクリエイティブをA/Bテストすることで、より成果の高い広告が作れそうです。

写真からメッセージを生成

2つの写真があり、それぞれに対するメッセージを生成しています。一つの広告なので、それぞれに対比するようなメッセージが生成されている点がユニークです。

スライドの生成

プレゼンで利用するスライドを自動生成した記事です。実際のスライドは下記動画で見られます。

youtu.be

教育

テストの生成と回答チェック

テストの項目自体も生成されているようです。そして生徒が入力した回答をその場で評価し、結果を表示しています。

テストの設問自動生成

アメリカの歴史に関する質問を一気に生成しています。これの成否は分かりませんが、自動で生成される問題ならば、学習が繰り返しだけにならないので良さそうです。

ゲーム

チェス

GPT-3とチェスを行っているデモです。ルールをどこまで把握しているかは分かりませんが、その動き方が本格的であったと投稿者は説明しています。

アドベンチャーゲーム

GPT-3によって作成されたアドベンチャーゲームだそうです。テキスし式で、自然文を書きながらゲームを進めていきます。

AI Dungeon

アプリケーションの生成

React製Todoアプリの生成

自然言語からReact製のWebアプリを生成しています。実際にタスクを登録し、その一覧が更新されるという部分まで含めて動作します。

その他

画像解析と成分解析

食品に入っている成分を収集し、それらが健康的なものであるか(またはないか)を表示してくれるデモアプリです。

まとめ

今回の内容を見る限り、とても多岐に渡って利用できる可能性がありそうです。単純にテキストといっても自然言語やプログラミング、データなどがあり、それらの解析においてGPT-3が精度の高い解析を行っています。

すでにGPT-3を使ったサービスも登場してきており、今後ますます注目されていくことでしょう。ぜひこうした例から、皆さんのサービスに活かせるポイントを探してください。

FRONT-END.AIはデザインを理解するAIとして、画像を解析してHTMLやCSSファイルを生成します。興味がある方はぜひWebサイトをチェックしてください。

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著者

アツシ@エバンジェリスト